思うこと@
----- 子どもは大人映す----- 

                   <秋田さきがけ新聞 10月29日 2001年>

渡部登志子
アフリカ、マラウイに住む友人が緊急メッセージを送ってきた。九月十一日の同時多発テロの
翌朝マラウイの首都にあるインターナショナルスクールで二人が言い争っていた。
A「ニュースを見ていないのか?あの人たちは英雄だよ。良い人たちのために死んだんだ。」
B「違う、違う、あの人たちは悪い人たちだ!関係ない人をあんなに殺したんだ!」
これが6歳の子供の会話で一人はイスラム圏の出身、一人は英国人。異文化が混じり合う
学校ならではなのだろうが、子供の家庭でどんな会話がなされているかが想像できる。  
同じホームページに別の人のメッセージで、子供が「沙漠は地獄だ」と言ったと載っていた。
それに対し沙漠の人々に偏見を持ってほしくない、と沙漠の人々の暮らしを写した写真集を
見せて一緒に話し合っている、ということだった。  このホームページは私が入っている、国
際理解教育を英語を使って教える活動を十年ほど行っているグローブ・インターナショナル・
テイーチャーズ・サークル(GITC)が発信している。子供たちに異文化を受け入れ、仲良く生
きてほしいと続けている。意見が違っても言葉を尽くして解決してほしいと。 大人が何を考え
何をするか、それが「教え」となる。テロの犯人たちも、アフガニスタンで、パレスチナで、生ま
れてから平和を一度も味わうことなく生きてきた子供たちにとっても、そして私たちの子供た
ちも「教え」は正しいものと受け止めるだろう。それがたとえどんなに人を傷つけ、間違ってい
ても。 そう考えると私たち大人の役割は重い。子供たちに暴力を暴力で返すことを私たちは
教えるだろうか。私自身三人の男の子がいる。少なくとも自分の子供が戦争に加担すること
はさせない。そのことだけでも誓いたい。 世界を不安に巻き込んでいる争いのことを率直に
話し合っていきたい。マラウイの小学校のように意見が違うのは当然なのだから。
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